配偶者短期居住権について
配偶者短期居住権の制度の趣旨
判例では、相続人の一人が被相続人の許諾を得て被相続人所有の建物に同居していた場合、特段の事情がない限り、相続開始時から遺産分割時までの短期間、その相続人の一人にその建物の使用貸借を認めていました。 ↓今回の改正では、この判例をもとに、さらに要件を緩和して、被相続人と同居する配偶者の権利として配偶者短期居住権を新設し、残された配偶者の保護を図りました。
配偶者短期居住権の成立要件
@ | 相続開始時に、 |
A | 被相続人所有の建物に、 |
B | 無償で居住していて、 |
C | 現在も居住している、 |
D | 配偶者 |
に限られます。 ↓ よって、配偶者でない同居相続人や内縁配偶者等はこの制度による保護は受けられません。 ↓ また、配偶者が相続開始時に配偶者居住権を取得した場合や、欠格事由に該当したり廃除により相続人でなくなった場合は配偶者短期居住権は発生しません。
配偶者短期居住権の存続期間
@ 居住建物が遺産分割の対象である場合 |
次のイ、ロいずれか遅い日までの間存続します |
A @以外の場合(配偶者が居住建物について遺産分割の当事者とならない場合) |
居住建物取得者(例えば、遺贈等により居住建物の所有権を取得した配偶者以外の相続人やその他の第三者など)による配偶者短期居住権の消滅を申し入れた日から6ヶ月を経過する日まで |